衣服の内側についている洗濯表示、目にする機会は多くても意味が分かる方は少ないんじゃないでしょうか。
色々な記号がたくさん書いてあって全部を理解するのは大変ですよね。
でも意味がわかるとスムーズに洗濯ができて、衣服のお手入れもしやすくなります!
今回はそんな洗濯表示の種類や意味について徹底解説していきます。
「洋服の素材ってたくさん種類があるけど、それぞれどんな特徴があるの?」と気になりますよね。この記事では、一般的な洋服に使用させれる素材や繊維の特徴を比較しながら、詳しく解説しています。洋服に使われる素材の種類や、それぞれの特[…]
洗濯表示の種類と意味
基本記号は5種類
洗濯表示は下記の5つの記号がベースになってできています。
- 洗濯処理記号
- 漂白処理記号
- 乾燥処理記号
- アイロン仕上げ処理記号
- 商業クリーニング処理記号
洗濯処理記号
家庭洗濯(水洗い)を表す記号で、洗濯おけの形をしています。
この洗濯おけにバツがついてなければ、家庭で洗濯が可能です。
旧洗濯表示では洗濯機と手洗いが分けて表示されていましたが、新洗濯表示では家庭洗濯が可能なものは「洗濯おけ」のマークに統一して表示されています。
漂白処理記号
漂白の仕方を表す記号で、三角形をしています。酸素系もしくは塩素系漂白剤の使用が可能かを表示しています。
旧洗濯表示ではフラスコの形に使える漂白剤を日本語で表記していましたが、新洗濯表示では三角形になりました。
酸素系漂白剤は色柄物に使えますが、塩素系漂白剤は使えないので注意が必要です。
乾燥処理記号
乾燥の仕方を表す記号で、自然乾燥またはタンブル乾燥が可能かを表示しています。
四角の中に━(横棒)がある形が自然乾燥で、━(横棒)の数や向きで吊干し・平干し・陰干しを表します。
四角の中に〇(丸)がある形がタンブル乾燥で、家庭用ドラム式洗濯乾燥機やコインランドリーのドラム式乾燥機の使用が可能かを表しています。
アイロン仕上げ処理記号
アイロンのかけ方を表します。
旧洗濯表示には「あて布」などの記載がありましたが、新洗濯表示にはありません。
アイロンの中の「•」(ドット)は温度の高さを示し、ドットの数が増えるほど温度は高くなります。
商業クリーニング処理記号
クリーニングの種類を表す記号で、家庭では洗わずクリーニングに出した方が良いことを示します。
丸の中の「P」はパークロロエチレン及び石油系溶剤によるドライクリーニングができるを表し、「F」は石油系溶剤によるドライクリーニングができるを表します。
「W」はウエットクリーニングです。
付加記号と数字の見方
洗濯表示の中にある「•(ドット)」や「━(アンダーバー)」は付加記号と呼ばれ、基本記号5種類と付加記号や数字などが組み合わさって衣服の詳しい洗濯方法を示します。
洗濯おけの中にある「数字」は洗濯液の上限温度を表し、✕(バツ)は禁止を意味します。
付加記号 | 表すもの | 意味 |
•(ドット) | 温度の高さ | ドットの数が増えるほど温度が高くなる |
━(アンダーバー) | 水流の強弱 | アンダーバーの数が増えるほど水流は弱くなる |
数字 | 洗濯液の上限温度 | (例)おけの中に40と表示されていた場合 水温40度を限度に洗濯機で洗濯ができる |
✕(バツ) | 禁止 | 記号と合わせて禁止を表す |
洗濯表示一覧表
家庭で洗える洗濯表示
洗い方
新しい洗濯表示 | 古い洗濯表示 | 意味 |
液温は95℃を限度とし洗濯機で洗濯ができる | ||
ー | 液温は70℃を限度とし洗濯機で洗濯ができる | |
液温は60℃を限度とし洗濯機で洗濯ができる | ||
ー | 液温は60℃を限度とし洗濯機で弱い洗濯ができる | |
ー | 液温は50℃を限度とし洗濯機で洗濯ができる | |
ー | 液温は50℃を限度とし洗濯機で弱い洗濯ができる | |
液温は40℃を限度とし洗濯機で洗濯ができる | ||
液温は40℃を限度とし洗濯機で弱い洗濯ができる | ||
ー | 液温は40℃を限度とし洗濯機で非常に弱い洗濯ができる | |
ー | 液温は30℃を限度とし洗濯機で洗濯ができる | |
ー | 液温は30℃を限度とし洗濯機で弱い洗濯ができる | |
ー | 液温は30℃を限度とし洗濯機で非常に弱い洗濯ができる | |
液温は40℃を限度とし手洗いができる | ||
家庭での洗濯禁止 | ||
塩素系及び酸素系の漂白剤を使用して漂白ができる | ||
ー | 酸素系漂白剤の使用はできるが塩素系漂白剤の使用禁止 | |
塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止 |
干し方
新しい洗濯表示 | 古い洗濯表示 | 意味 |
ハンガー等を使ってつり干しする | ||
日陰でつり干しする | ||
ー | 脱水せずぬれたままつり干しする | |
ー | 日陰で脱水せずぬれたままつり干しする | |
平干しする | ||
日陰で平干しする | ||
ー | 脱水せずぬれたまま平干しする | |
ー | 日陰で脱水せずぬれたまま平干しする | |
ー | 排気温度80℃を上限にタンブル乾燥できる | |
ー | 排気温度60℃を上限にタンブル乾燥できる | |
ー | タンブル乾燥禁止 |
アイロンのかけ方
新しい洗濯表示 | 古い洗濯表示 | 意味 |
200℃を限度にアイロンが使える | ||
150℃を限度にアイロンが使える | ||
110℃を限度にスチームなしでアイロンが使える | ||
アイロンは使えない |
家庭で洗えない洗濯表示
ドライクリーニングやウエットクリーニングのマークがついているものは家庭では洗えないので、クリーニングに出しましょう。
ただし、これらのマークと一緒に「洗濯おけ」のマークが表示されている場合は家庭での洗濯も可能です。
クリーニング店に行くとたくさんのクリーニングの方法があるため、「どのクリーニングでお願いすればいいんだろう?」と迷ってしまうことはありませんか。クリーニング店によっては、洋服ごとに最適なクリーニング方法を提案してくれるところもありま[…]
ドライクリーニング
新しい洗濯表示 | 古い洗濯表示 | 意味 |
パークロロエチレン及び石油系溶剤によるドライクリーニングができる | ||
ー | パークロロエチレン及び石油系溶剤による弱いドライクリーニングができる | |
石油系溶剤によるドライクリーニングができる | ||
ー | 石油系溶剤による弱いドライクリーニングができる | |
ドライクリーニング禁止 |
ウエットクリーニング
新しい洗濯表示 | 古い洗濯表示 | 意味 |
ー | ウエットクリーニングができる | |
ー | 弱い操作によるウエットクリーニングができる | |
ー | 非常に弱い操作によるウエットクリーニングができる | |
ー | ウエットクリーニング禁止 |
洗濯表示の注意点
新・旧の洗濯表示が混在している
2016年(平成28年)12月以降に作られた衣服から、洗濯表示が世界共通のマーク(ISOの国際規格)に変わりました。
洗濯表示を国際規格に合わせたことで、記号の形が大きく変わり種類も22種類から41種類に増えました。
また日本語での表記はなくなり、世界中の誰が見ても正しく洗濯ができるようになりました。
2016年12月以前に作られた衣服についている洗濯表示(旧)とそれ以降に作られた洗濯表示(新)では、似ていても別の意味になってしまったものもあるので、混乱して洗い方を間違えないようしっかり確認してから洗濯をしましょう。
記号以外の表し方(付記用語)
洗濯表示が世界共通になったことで日本語での表現がなくなりましたが、記号で表すことができないものは洗濯表示の近くに簡単な言葉で記載されることがあり、これを付記用語と言います。
以下、付記用語の例になります。
- あて布使用
- 洗濯ネット使用
- スチームで浮かしアイロン
- 弱く絞る
こういった記載があった場合は、よく読んで正しい取り扱いをしましょう。
まとめ:洗濯表示を守って正しく洗濯をしよう
今回のポイントをまとめると下記の通りです。
- 洗濯おけのマークがあれば家庭で洗える
- 数字は洗濯液の上限温度
- ━(アンダーバー)の数が増えるほど水流は弱くなる
- ・(ドット)の数が増えるほど温度が高くなる
- ✕(バツ)は記号と組み合わせて禁止を表す
基本記号5種類と付加記号の見方がわかるようになれば、44種類全ての洗濯表示を覚えなくてもOKです。
慣れるまで大変ですが、少しずつ洗濯表示のルールが掴めてくるので、記事を参考に洗濯表示に合った洗い方を心がけましょう。
普段使っている洗濯洗剤はどのように選んでいますか?最近は洗濯洗剤の種類がたくさんあるので、何を基準に選べば良いのか迷ってしまいますよね。値段・パッケージ・香りなど色々あると思いますが、実は汚れの種類や衣服の生地によってそれぞれ最適な[…]