クリーニング店に行くとたくさんのクリーニングの方法があるため、「どのクリーニングでお願いすればいいんだろう?」と迷ってしまうことはありませんか。
クリーニング店によっては、洋服ごとに最適なクリーニング方法を提案してくれるところもありますが、そうはいっても、やはり自分でもある程度知識を持っておくに越したことはありません。
この記事では、正しくクリーニングにおける基本的な種類の解説や、クリーニングにおけるトラブルを回避のためのテクニックなどについてついて解説していきます。
クリーニング店で実施しているクリーニングの種類一覧
クリーニング店では、大まかに下記の5種類のクリーニング方法を実施しています。
- ドライクリーニング
- ウェットクリーニング
- シミ抜き
- ランドリークリーニング
- 特殊クリーニング
ウールやレーヨンに最適な「ドライクリーニング」
ドライクリーニングとは、アラクマの通り水を使わずに洗う方法のことです。
水で洗ってしまうと型崩れしてしまう、色落ちしてしまう、縮んでしまうといったような衣類(ウールやレーヨンなど)を洗濯する時に使われます。
ドライクリーニングでは水の代わりに専用の有機溶剤で衣服を洗うのですが、この有機溶剤はクリーニング店のみでの扱いですので、家庭用の「ドライ衣料用の洗剤」とは仕上がりが全く違います。
このクリーニング店専用の有機溶剤であれば、デリケートな衣服を傷めることなく、油性の汚れを取り除くことができるので、特に、口紅、ファンデーション、食用油、皮脂といった汚れの洗浄に最適です。
水洗いできれいに「ウェットクリーニング」
ドライクリーニングでは、「醤油」や「汗」「お酒」のシミを落とすことができませんが、ウール素材のものや、型崩れをしたくない衣類からそういった醤油や汗の汚れを取り除きたいということもありますよね。
そんな時に便利なのがウェットクリーニングです。
ウェットクリーニングとは、ドライクリーニングの後にできる「水洗い」のことで、衣類についてしまった汗の主成分である「塩分」を溶かして、臭いとともに綺麗に洗いあげていきます。
たとえば、1ヶ月以上着続けていたスーツなどは、ドライクリーニングでは汚れを落としきることができないので、ウェットクリーニングがおすすめです。
ちなみにウェットクリーニングは、通常はオプションメニューとなります。
ドライクリーニングで落とせない汚れは「シミ抜き」
シミ抜きは通常のドライクリーニングでは落とすことのできない汚れを、汚れの性質によって適した方法で洗い上げる方法です。
衣類に跡形を残すことなくきれいにシミ抜きをするには、何が原因で汚れてしまったのかを知ることが重要なので、クリーニング店では、まずその衣類のシミがどういった種類のものなのかを把握し、それぞれに適した洗剤を使い分けて洗っていきます。
具体的なシミ抜きの工程としては、まず油性の汚れを落とし、水性の汚れを落とし、それからタンパク質を取り除いて色素を除去し、中和をして、仕上げにクリーニングといった感じで、非常に手間のかかる作業です。
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耐久性の高い衣類に!「ランドリークリーニング」
ランドリークリーニングとは、ワイシャツやシーツといったような耐久性が高い衣類に対しておこなう選択方法です。
石鹸や洗剤、助剤、漂白剤などを使いながら、温水を使って専用の洗濯機で洗い上げていきます。
この説明だけでは、家庭での洗濯とあまり変わらないのではないかと思うかもしれませんが、ランドリークリーニングは、
- 温水の温度が高い(40℃から70℃)
- 特殊なランドリークリーニング専用の洗剤や助剤が使われている(プロが厳選)
- 漂白効果が高い
- 洗濯機の構造が異なる(ランドリークリーニングの洗濯機は大型のドラム式)
など、一般家庭の洗濯方法とはまた少し異なる方法で洗い上げていくので、家庭用の洗濯機とは違って均一かつ生地を傷めずに衣類を洗うことができます。
一般的な衣類以外は「特殊クリーニング」
特殊クリーニングとは、通常のクリーニングとは違った選択方法で衣類などを洗い上げるメニューです。具体的には、以下の6つのメニューがあります。
- 着物
- 毛皮や革のクリーニング
- カーペットや絨毯のクリーニング
- バッグのクリーニング
- 靴のクリーニング
- ぬいぐるみのクリーニング
着物のクリーニング
着物をクリーニングすることは「京生洗い」と言います。
着物専用の洗剤を用いて、着物の記事や風合いを変えないように洗い上げる洗濯方法です。
ただ、汚れやシミがひどいケースや、着物が体型に合わなくなって仕立て直しをするようなケースでは、着物をばらばらにした状態で洗う「洗い張り」をすることもあります。
着物の生地は洗い張りをすることで縮みがなくなり、生地に張りが出て、新品のようによみがえります。
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毛皮や革のクリーニング
毛皮や革のクリーニングは風合いや色合いに変化がでてしまいやすいので、パウダークリーニングをして丁寧に仕上げます。
パウダークリーニングとは、特殊なパウダーを使って毛皮や革を傷めずに洗い上げる方法で、シミ抜きなどの前処理をした後におこないます。
カーペットや絨毯のクリーニング
カーペットや絨毯は毛足が長いため、念入りに掃除機をかけてもホコリやダニ、臭いを取り除くことができません。
ですがクリーニングではカーペットや絨毯を水洗いしてもらうことが可能です。
ですので、普段では落としきれない汚れまできれいにしてもらえます。
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バッグのクリーニング
麺素材のバッグも、ポリエステルも皮革のバッグもクリーニングが可能です。
クリーニング後には、汚れの付着を防止する加工や、雨の日なども安心の撥水加工をしておくのおすすめです。
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靴のクリーニング
靴に関しても、一部のクリーニング店ではクリーニングを実施してくれます。
靴は家でも洗うことができますが、スエードやメッシュのスニーカーや、革素材のブーツなどは洗い方を失敗すると素材が傷むので、専門的なクリーニング店で洗ってもらう方がおすすめです。
また、クリーニング店によっては、同時に靴の修理も受け付けてくれるところもあります。
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ぬいぐるみのクリーニング
ぬいぐるみは基本的に水洗いをして綺麗にすることが多いです。
薄黒くなってしまったけれど、家ではなかなか落としきれないような汚れも、プロの技術で新品のような美しさになります。
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知っておきたい!クリーニングに出す時の注意点
実際にクリーニングに衣類を出す際は、トラブルを避けるためにも、以下の3点に注意しましょう。
- 大事な衣類はワンランク上のコースを選択する
- それぞれのクリーニング店の得意分野を見つけておく
- 必ず衣類の状態をチェックしてからクリーニングに出す
大事な衣類はワンランク上のコースを選択する
特に大事な衣類を出す際は、値段よりもコースの内容で選ぶことが大切です。
少しでも料金を下げたくてついつい安めのコースを選んでしまいがちですが、シミや汚れがとれていない、衣類が縮んでしまったなどを防ぐためにも、大事な衣類はワンランク上のコースを選ぶことをおすすめします。
それぞれのクリーニング店の得意分野を見つけておく
お店などでアピールされている場合もありますが、クリーニング店は各店舗ごとにそのお店独自の強みをもっています。
シミ抜きならこのお店、着物などの特殊なクリーニングならこのお店、といったように、それぞれ得意なジャンル別にクリーニング店を選べば、それぞれにあった最適なクリーニングを行えます。
「初めて利用するからよくわからない」という場合は、スタッフさんの接客やアドバイスが親切であるかどうかをチェックしておくといいでしょう。
必ず衣類の状態をチェックしてからクリーニングに出す
クリーニングに出す前には、ボタンや装飾品が取れそうになっていないか、ポケットなどに何か入っていないかを必ず、よく確認してからクリーニング店に衣類を持っていきましょう。
クリーニング店でもクリーニングを行う際に確認はしてくれますが、確認漏れがあったりすることもあるので100%安心とは言い切れません。
もし万が一ポケットの中にポケットティッシュが入っていたりすると、衣類にも影響がでますし、ライターなどが入っていた場合には、大きな事故にも繋がりかねないのでクリーニングに出す際は要注意です。
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まとめ
クリーニングに出す際は、衣類の状態や種類に合わせて最適なクリーニングをすることが大切です。
今回はクリーニングの種類について解説してきましたが、ざっくりとクリーニングの種類を把握しておき、その上で実際に店で相談をすれば、より適切なクリーニングができるようになります。
大事な衣類やバッグなどは長く使い続けていくのであれば、それぞれに合ったクリーニングの種類を選びましょう。