クリーニングで起こる様々なトラブル。今回はトラブルに遭ってしまった場合の対処法をお話しします。クリーニングトラブルの原因は店側だけでなく自分自身にあることも。トラブルを円満に解決するためにも、まずは責任の所在はどこにあるのかを見極める必要があります。
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クリーニング店が原因で起こるトラブル事例
ここではクリーニング店の責任と思われるトラブルについていくつかの事例を紹介します。
◆ボタン割れ・ボタン落ち
クリーニングの工程の中で起こる最も多いトラブル。ボタンが落ちてしまったら工場が大型であればあるほど見つけることは困難です。
◆変色・色移り
変色が起こりやすい部位は肩・袖の中央ライン・裾際で、素材としては綿やナイロン製品が多くなります。染料が落ちやすい衣類であったり、適切な洗濯方法が取られなかった際に起こります。また、洗浄中による色移りは、濃い色の衣類と薄い色の衣類を一緒に洗ってしまうなど、最初の仕分けがきちんとされなかったことが原因のこともあります。
◆風合いが損なわれた
ゴワゴワしている、硬くなってしまった、テカテカになった等クリーニングに出す前とは明らかに風合い、質感が変わってっしまった等洗浄工程の中で起こるトラブル。
◆破れ
ワイシャツやカッターシャツ等に多くみられます。洗濯物同士が絡まってしまったり洗濯表示と違う洗い方をすると破れにつながるケースがあります。
◆紛失
紛失は管理が原因で起こるため、クリーニング店の規模が大きければ大きいほど多く発生する傾向があります。原因はタックと呼ばれる細い紙が切れたり、つけ間違えたりするミスによるもの、配送中での紛失、店頭での渡し間違いなどがあります。
衣料品メーカーが原因で起こるトラブル
消費者が関与できないのが、衣類の製造過程で起こる問題です。衣類には「染色堅牢度」という基準があり、これが低いものほど染料が落ちやすいと言われています。その場合は服の色落ちはもちろん、他の衣類に色移りしてしまうこともあります。
表示通りに洗浄しても色落ちする場合は製造工程できっちり色止めができておらず、メーカー側に責任があると考えられます。この場合はクリーニング店と製造メーカーで補償の交渉をすることになります。ただし、製造メーカー側が不備を認めなかったり、海外製品などで連絡先が明らかでなかった場合などは消費者センターなどの第三者に判断を委ねましょう。
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【利用者側に責任があることも】クリーニングに出す前は何ともなくても要注意
注意しなければならないのが、トラブルの原因が利用者側にある場合です。
◆色落ち
色落ちの箇所が脇の下であった場合、考えられるのが着用中の汗。汗をかいたまま長時間経った衣類をクリーニングに出すと、洗浄によって染料が流れ落ちて色落ちしてしまうことがあります。他にもショルダーバッグで腰のあたりが擦れて起こる「スレ」と呼ばれる色落ちもあります。
◆シミ
クリーニングから戻ってきたら以前無かったシミがついている、といったケースも多いです。これは色落ちの場合のように、クリーニングに出す前には目立たなかったシミがドライクリーニングをしたことにより、浮き出てしまうことも考えられるのです。
◆破れ
繰り返しの着用によって生地が薄くなり、クリーニングの圧力によって破れてしまったり避けてしまうことがあります。ワイシャツは着用の頻度にもよりますが寿命は2年くらいです。
これらは利用者側の着用やクリーニングまでの保管方法に問題があるため、賠償の対象にはなりません。
【クリーニング賠償基準】賠償の対象になる場合、ならない場合
クリーニング店側に過失があった場合は店側に賠償を請求することができます。クリーニング賠償基準は、全国クリーニング環境衛生同業組合連合会を中心とし、各関係省庁と業界の代表が作成したものです。
賠償額は、衣類が傷みやすいか傷みにくいか、また購入からの時間経過により決まります。賠償額は特約のあった場合を除き算定方法が決まっており、クリーニング事業者はトラブルの原因が第三者による過失であることを証明できる件以外は、利用者に対して保証をしなければなりません。
賠償の対象になる場合
例)1年前に購入した夏物のスカートをクリーニングに出し、色移りが起きた
- 使用年数を確認
この使用年数とは、一般的にその衣類を購入した際に平均的にどのくらい使用するかという基準。この夏物のスカートは去年購入したものなので2年となっています。
- 購入からどれくらい経過しているかを確認
このスカートは購入から12か月以内の商品ですので、A級品で72%、B級品で58%、C級品で47%の保証額となります。
常識的な使い方をした平均的な商品をB級品、それよりも優れた状態にあるとされるものをA級品、見劣りする状態にあるとされるものをC級品と算定します。一般的にはB級品として算定されることが多いようです。
よってこの夏物のスカートを1万円で購入していた場合、算定式による賠償額の相場は5,800円となります。また、補償された場合衣服は返還されません。
汚損ではなく紛失が起こったなど上記の方法では賠償金額が算定しづらい場合はこの算定式には当てはまりません。ドライクリーニングではクリーニング代金の40倍、ランドリーではクリーニング代金の20倍が賠償金額となります。
賠償の対象にならない場合
全てにおいてこの賠償がなされるわけではなく、下記の様な状況は賠償の対象になりません。
- クリーニング事業者が衣類を預かってから90日が経過しても利用者が受け取らず、かつ受け取らなかった原因が利用者にあった場合
- 利用者の受取りの遅延によって生じた損害
- 利用者が衣類を受け取る際に確認をし、その際に異議申し立てがないということをクリーニング事業者が証明できた場合
- 利用者が洗濯物を受け取ってから6カ月後もしくはクリーニング事業者が衣類を受け取ってから1年を経過したとき
クリーニング店の全てがこの基準をもとに賠償金額を算定しているとは限りません。ほとんどのクリーニング店は、業界の自主基準である「Sマーク」や「LDマーク」というものをつけています。これらのマークがついている店はクリーニング賠償基準によって事故の対応を行っているという印ですので、信用できる店舗かどうかの目安になります。
解決しない場合はどこに相談すれば良いのか
明らかにクリーニング事業者の責任であるのに賠償をしてもらえない場合は市町村区にある消費者センターに相談しましょう。国民生活センターに設置されている「ADR(裁判外紛争解決)機関」も利用できます。
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利便性の高い宅配クリーニング、近年トラブルは増加傾向
近年増加しているのは店舗型のクリーニング事業者によるトラブルだけでなく、宅配型クリーニングサービスにもあります。インターネット等で申し込みでき、家で手続きのできる宅配型クリーニングサービスはとても便利で利用されている方も多いかもしれません。しかし、便利なものにもやはりトラブルは起こります。
◆紛失
衣類の紛失をはじめ、ベルト等の付属品の紛失、箱に詰めて送ったはずの一着が無い等、紛失は宅配型でも多くみられます。実店舗では利用者自身が店舗まで出向いて衣類の受け渡しや受け取りを行いますが、宅配型ではクリーニング事業者に衣類が渡るまでに配送業者を介する必要があります。この「非対面型」こそ衣類の状態や数を確認できないことからトラブルが起きていると考えられます。
◆汚損・破損
汚損や破損についても実店舗では事業者が利用者の目の前で事前にチェックをし、汚損破損のリスクを下げてくれますが、宅配型だとそのチェックがありません。他にも、ポケットの中の物を取り出さずにクリーニングを行い、汚損破損が起こることもありえます。
店舗に出向かなくても全てネットで済んでしまう反面、問い合わせに時間がかかったり、メールで連絡しますと言われて待てど暮らせど連絡は来ない等、トラブル後の交渉に時間がかかってしまうのも宅配型に多くみられます。
クリーニングトラブルを円満に解決するためにできること
クリーニングによるトラブルは近年減少傾向にありますが、それでもまだトラブルは尽きません。もし、行き違いや紛失等のトラブルに遭ってしまったら素早く冷静に対処します。
- 責任の所在がどこにあるかを見極める
- 店側の責任ならトラブルの内容を正確に伝え、対応を依頼する
- 店側が誠実に対応してくれなかったり、苦情を受け付けない場合は消費者センターへ相談する
正確に事実を伝えることで、相手側も誠実に対応してくれます。また、利用者がきちんと確認をすることで防げるトラブルもあります。実店舗、宅配型に関わらずシミや色落ちがあればメモしておいたり写真を撮っておくなど、クリーニングに出す前の衣類の状態を残しておきましょう。
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まとめ
クリーニングにおけるトラブルの原因は着用中や保管中、クリーニング店、衣料メーカーと様々です。対策をしっかりと行っている店舗も多くありますが、それでも紛失や色落ちなどのトラブルを全てなくすことは不可能です。大切な衣類をクリーニングに出す際にトラブルに遭わないために気を付けたいことをいくつか挙げてみました。
- 万が一のことを想定して賠償基準を確認しておく
- SマークやLDマークを表示している店を選ぶ
- 宅配型はインターネットの口コミを参考にしてみる
クリーニングのトラブルは複数の要因が重なって起きるため、責任の所在や特定が難しいケースが多いです。トラブルを避けるためにも、信頼できるお店を選んでクリーニングを活用してください。