思い出がたくさん詰まったぬいぐるみは、古くなっても汚れても、そう簡単に捨てられるものではありません。ですが、ぬいぐるみは飾っておくだけでもホコリが付きますし、子どもが抱っこして遊ぶと皮脂や汗の汚れが付きます。ダニなどの衛生面も不安です。
そんな時は、思い切ってぬいぐるみを洗ってみましょう。たいていのぬいぐるみは自宅でも洗濯可能です。コツさえ掴めば、大事なぬいぐるみも失敗なく、ふわふわに仕上げることができます。今回は自宅でも簡単にできる洗い方をご紹介します。
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ぬいぐるみを自宅で洗濯する前に確認すること4つ
ぬいぐるみを自宅で洗う際には、まず次の4点を確認しましょう。
(1)洗濯表示の確認:洗濯機で洗えるか手洗い限定か、それとも洗濯不可か
ぬいぐるみを洗う時は、洗濯表示を確認することから始めます。ほとんどのぬいぐるみには洗濯表示が付いているので、必ず洗濯可能になっているかチェックしましょう。洗濯機の使用が可能か手洗い限定なのか、洗剤の指定はあるかなど、洗濯に関する重要な情報を得ることができます。
洗濯機で洗えても、年代物のぬいぐるみは生地が弱っていて洗濯によって破れる危険性があります。また、ぬいぐるみの頭と胴体が軽く留めてあるだけのものや手足が長いもの、洗う前からほつれているものなどは、洗濯機を使うとぬいぐるみが破損してしまう可能性があります。このような場合は手洗いのほうがトラブルを防げます。洗濯不可の場合は、水を使わずに行うお手入れ方法で綺麗を保つ程度に留めましょう。
(2)表地・中綿素材の確認:水洗いに適した素材か
ぬいぐるみは実に様々な素材から作られており、水洗いに適さないものもあります。革やウールなどデリケートな素材は、衣類と同じように自宅では洗濯できないものが多いです。また、中綿がポリエステル以外の場合は洗っているうちに偏って型崩れすることがあります。
素材表示が付いていないぬいぐるみでも、表面が一般的に洗える布で中身がポリエステル綿やビーズであれば洗濯できます。素材によっては洗濯で台無しになってしまう恐れもあるので細心の注意を払いましょう。
また、目など細かいパーツに接着剤が使われている場合は水やぬるま湯で洗うと接着剤が剥がれてしまう恐れがあります。手洗いの方が負担なく洗えます。既にパーツが剥がれかけているなら、そっと取り外して保管しておき、洗濯が終わって乾いてから再度接着剤などで付けてください。
(3)機械や電池、小物類の有無:取り外せるものは外す
ぬいぐるみ内部に機械や電池が埋め込まれていないかも確認しましょう。スイッチを入れると動いたり、録音機能や音楽が流れる機能が付いている場合、必ず機械が内臓されています。機械や電池にとって水は大敵で、そのまま洗えば壊れる可能性が高いです。
取り外せるものは良いのですが、完全に埋め込まれて縫製されていると洗うのは難しいので、後半で説明する「洗濯できないぬいぐるみのお手入れ方法」で対応しましょう。
また、ぬいぐるみが小物類や服などを身に着けていることがあります。これらは洗濯前に全て取り外します。ぬいぐるみ本体は洗濯できても、服や小物類は洗濯不可となっているケースも多いです。ぬいぐるみと服や小物類が別の素材で作られていると、洗濯することでお互いに色移りする可能性もあります。このことも基本的には洗濯表示に記載されていますが、記載がなくても念のため外せるものは外しておいた方が心配ありません。
(4)天気予報の確認:よく晴れた日を選ぶ
意外と見落としがちなのが、洗う日や翌日以降の天気のチェックです。ぬいぐるみを洗ったら当然乾かさないといけませんが、うっかり曇りや雨の日に洗うと乾くまでに時間がかかってしまいます。ぬいぐるみのサイズによっては中心部までしっかり乾くまで何日もかかり、カビや悪臭の原因になります。
生乾きの洗濯物のようにイヤな臭いが付くとせっかく洗濯した意味がないので、天気予報の確認を忘れてはなりません。日光で一気に乾かすことが大切なので「晴れ」が数日続く時期を選ぶといいです。できれば梅雨や気温の低い冬は避け、日差しが強く気温も高い夏に洗いましょう。
【ぬいぐるみの洗濯方法】はじめは色落ちチェックから
上記4つの確認が済んだら、いよいよ洗濯です。ぬいぐるみを洗う場合、洗濯機を使う方法と手洗いする方法があります。基本的には洗濯表示にしたがって選びますが、型崩れや破損が心配な場合は手洗いの方が確実です。
洗剤の指定が特になければ、洗剤はおしゃれ着用洗剤を使います。一般的な洗濯洗剤は汚れを落とすことを重視しているため、ぬいぐるみには刺激が強く傷んでしまう可能性があります。
また、柔軟剤を使うと柔らかく仕上げることができるので、好みの香りのものを選ぶとよいでしょう。柔軟剤の種類は特に指定はありませんが、赤ちゃんや小さな子どもが使う場合は低刺激で肌に優しい柔軟剤を使うと安心です。
色落ちチェックの仕方
まず最初に色落ちのチェックから。色の濃いぬいぐるみの場合は、水に浸けることでせっかくの色が落ちてしまう可能性があります。汚れと一緒に色まで落ちてしまい、ひどい場合は他の部分に色映りしてしまいます。洗う前に必ず色落ちチェックを行いましょう。
色落ちチェックの仕方は、おしゃれ着用洗剤を溶かしたぬるま湯を用意し、タオルなどに少量付けてぬいぐるみの色の濃い部分をこするだけです。
力を入れず、軽くこすっただけでタオルに色が移る場合は、洗えばもっと色落ちするので洗濯はできません。色落ちがひどい場合、チェックしただけでも色落ちが目立ってしまうことがあります。ぬいぐるみのおしり付近や手足の付け根など、できるだけ目立たない箇所で色落ちチェックを行ってください。
ぬいぐるみの洗濯・脱水方法
◆洗濯機を使う場合
洗濯機で洗う場合は、ぬいぐるみを洗濯ネットに入れ、手洗いコースかドライコースで3分程度洗いましょう。終了したら脱水しますが、シワや型崩れを防ぐために脱水時間は短くします。脱水する前にバスタオルなどでぬいぐるみを包むと、ぬいぐるみが洗濯槽にぶつかって傷むのを防ぐことができます。
◆手洗いする場合
手洗いの場合は、大きめの洗面器などを用意し、38度程度のぬるま湯を入れます。おしゃれ着用洗剤が十分に溶けたのを確認し、ぬいぐるみを浸しましょう。この時、ゴシゴシ擦るのではなくゆっくり押し洗いするのが基本です。
汚れが酷い場合は、しばらく浸け置きしてから洗うと汚れが落ちやすくなります。色落ちの危険があるので、30分以上は放置しないでください。洗濯が終わったら、手で挟むようにしながら軽く絞り、綺麗な水で洗い流します。
最後にぬいぐるみをバスタオルで包み、洗濯機に入れて10秒ほど脱水のみ行ってください。タオルを厚めに巻くことで、短い脱水時間でもしっかり水抜きすることができます。
ぬいぐるみの干し方
干し方にも注意が必要です。大きなサイズのぬいぐるみの場合、洗った後は水を吸ってかなり重くなっています。そのまま洗濯バサミで吊るすと、挟まれている部分が重みで引っ張られ、型崩れしてしまいます。洗濯バサミの跡もくっきり残ってしまいますし、水分が全て下方に溜まってなかなか乾きません。
これらを避けるため、ぬいぐるみを乾かす場合は吊るすのではなく寝かせるように平置きしましょう。バスタオルをハンモックのようにセットし、そこに並べると均一に水が抜けますし、型崩れも予防できます。
また、ワイヤーの入った円柱タイプのネットに入れれば、平置きした状態で吊るすことができるので早く乾きます。より早く乾かしたい時は日光にしっかり当てて干しますが、直射日光が強すぎると色褪せしかねません。真夏の昼間などは半日蔭の場所を選ぶといいでしょう。
【ふわふわに仕上げるコツ】洗濯前後のブラッシングで毛並みが整い手触り◎
洗濯後もぬいぐるみのふわふわ感を保つにはコツが必要です。洗濯の際に毛足がぺちゃんこにならないよう、ひと手間加えましょう。
1.洗濯前にブラッシング
洗濯前にブラシをかけて毛足を立てておくと、ふわふわに仕上がります。ブラッシングすることで繊維がほぐれるため汚れも落ちやすくなりますし、柔軟剤の効果が隅々まで行き届くようになります。
2.柔軟剤を使う
柔軟剤はぬいぐるみの毛を1本1本コーティングしてくれる役割があります。毛がふっくらと立ち上がり毛並みが整って手触りも良くなります。また、コーティング効果により、毛玉ができにくいというメリットもあるので一石二鳥です。
柔軟剤は、洗濯機の場合はすすぎが終わったら投入し、綺麗な水で軽くすすぎます。手洗いの場合は洗面器にぬいぐるみを浸けるタイミングで柔軟剤も入れ、そのまま20分から30分浸け置きします。
3.乾いた後にもブラッシング
水が残っている状態でブラッシングすると毛並みがバラバラになってしまうので肌触りが良く仕上がりません。ブラッシングは完全に乾いたのを確認してから行いましょう。
また、干す前にしっかり水気を取ることも大切です。水気が多いと繊維同士がくっ付いた状態で乾くため、毛が硬くごわごわしたぬいぐるみに仕上がってしまいます。一度硬くなったぬいぐるみを柔らかくするのは難しいので、洗濯後はしっかり水を落としておきましょう。
自宅で洗濯できないぬいぐるみを綺麗にする方法
ぬいぐるみの大きさや素材によっては自宅で洗濯できないものもあります。そういった場合は次の方法で綺麗にすることができます。
大きなぬいぐるみはコインランドリーまたはクリーニング
大きくて自宅では洗えないものの、洗濯自体が可能ならコインランドリーに持っていく方法があります。コインランドリーには布団用の大きな洗濯機もあるので、ある程度の大きさまでなら洗うことができます。
ぬいぐるみの素材や形によってはコインランドリーの洗濯機を使用できないケースもあるので、事前にコインランドリーの運営会社に問い合わせておくと良いでしょう。
また、洗濯そのものができないぬいぐるみクリーニングに出す方法があります。一般的なクリーニング店でぬいぐるみを扱っていることもありますし、ぬいぐるみ専門のクリーニング業者もあります。大切なぬいぐるみは専門業者に任せると仕上がりも確実に良いです。遠方でも宅配で受け付けている店もあるので調べてみましょう。
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洗濯不可のぬいぐるみは重曹を使って綺麗に
機械や電池が使われていて洗濯機や手洗いで洗えない場合は、重曹とビニール袋があれば、水で洗わなくても綺麗にできます。重曹は100円ショップなどで簡単に手に入れることができ、コストパフォーマンスが良いうえに人体にも悪影響が無いので、赤ちゃんのぬいぐるみにも気軽に使うことができます。
1.ぬいぐるみの服や小物類を外し、ぬいぐるみをビニール袋に入れる。
2.まんべんなく重曹を振りかけ、ビニール袋に空気を入れて口を縛ります。
3.きちんと密閉できたのを確認し、繊維の隙間にもしっかり重曹が行きわたるようによく振ります。
4.そのまま数時間から1日程度放置すると、重曹がぬいぐるみのホコリや臭い成分を吸着してくれます。
5.袋からぬいぐるみを取り出し、掃除機で隅々まで重曹を吸い取り、水で濡らしたタオルでぬいぐるみを拭きます。
(※取り出す際は重曹がかなり飛び散るので、屋外で取り出しましょう)
6.そのまま干して乾かし、仕上げにブラッシングして毛並みを整えます。
【ぬいぐるみの手入れの仕方】普段はブラッシングと天日干しで清潔をキープ
せっかく綺麗にしたぬいぐるみは、また汚れてしまわないように、普段からお手入れを欠かさないことが大切です。定期的に軽く叩いたりブラッシングをして埃を落とすだけでも綺麗な状態を保てますし、掃除機で入念に吸い取るともっと効果があります。
天気の良い日には、風通しの良い場所で天日干しすれば除菌や消臭効果が得られます。この時、ぬいぐるみを黒いビニール袋に密閉して天日干しすると、より内部が高温になってダニ防止にも役立ちます。
また、子どもがよく遊ぶぬいぐるみは皮脂の影響で汚れやすいので、濡らしたタオルでこまめに拭くと綺麗な状態を長く維持でき、洗濯の頻度を減らすことができます。
まとめ
ぬいぐるみを洗濯する際は洗濯可能かどうかを必ずチェックしましょう。ぬいぐるみは作りや素材が一般の衣類とは異なるので、洗濯機を使うよりは手洗いするほうが破損などのトラブルを防ぐことができます。また、洗濯によって清潔は取り戻せますが、ぬいぐるみ本来のふわふわ感を失ってしまっては困ります。洗濯の際は次のようなひと手間を加えましょう。
【ぬいぐるみをふわふわに仕上げる洗濯のコツ】
- 洗濯前と後には、丁寧にブラッシングして毛足をほぐす
- 柔軟剤を使って毛を1本1本滑らかにする
大切なぬいぐるみほど普段からこまめにお手入れし定期的に洗濯しましょう。いつまでも清潔でふわふわなぬいぐるみを保つことができます。