粉末と液体、どちらの洗剤が汚れ落ちや消臭に適しているのでしょうか。洗濯は毎日行うものですし、家族が多いと1日に何度も洗濯機を回すこともあるので、コスパの良さが気になります。今回は、粉末洗剤と液体洗剤、どちらが安く済むか、また、洗浄力と消臭力が優秀なのはどちらか比べてみました。
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粉末と液体の違いは?それぞれの洗浄成分を紹介
粉末洗剤と液体洗剤は主な洗浄成分がそもそも違います。衣類の汚れを綺麗に洗濯するためにも洗剤の性質を知らないと満足に使いこなせません。
粉末はアルカリ性
粉洗剤は弱アルカリ性の成分で構成されています。洗剤によっては泥汚れを落とすのに適した酵素や、洗濯物の白さを際立たせる蛍光剤などが含まれています。泥汚れなど酸性の汚れを落とす場合、アルカリ性洗剤の方が中和作用によって汚れを綺麗に落とすことができます。
液体は中性
液体洗剤は中性の界面活性剤で作られています。界面活性剤とは皮脂や油汚れを浮かす作用があります。そのため皮脂や油汚れには粉末より界面活性剤の濃度が高い液体洗剤の方が適しています。
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コスパがいいのはどっち?価格が安いのは粉、水道代が節約できるのは液体
粉洗剤と液体洗剤の場合、商品にもよりますが基本的には粉洗剤の方がコスパは良いです。これは粉洗剤が均一の箱型をしているため、スペースを無駄にすることなく運搬が可能で輸送コストを抑えられるためです。また、内容量に対して1回に使用する量が少ないため、1箱購入すれば長く使うことができます。
これに対して、液体洗剤はプラスチックのボトルに入っているため、容器代もかかってしまいます。ボトルの形もいびつなので輸送の際にも隙間が生まれやすく、大量運搬ができません。
容器や輸送に別途コストがかかりやすいため、販売価格も上乗せされてしまいます。粉洗剤と何百円も変わるということはありませんが、何年も買い続ければコスパの差は大きくなるので注意しておきましょう。
ただ、液体洗剤の方もパウチに入った詰め替えタイプが増えており、これならボトルに入ったものを購入するよりかなり安く済ませられます。容器は最初だけ購入し、無くなれば詰め替え用を購入して入れ替えれば良いので、詰め替えタイプが登場する前よりはコスパも良くなりつつあります。
価格面では粉洗剤に軍配が上がりますが、洗濯という行為全体で考えた場合は一概に粉洗剤が優れているとも言い切れません。なぜなら、液体洗剤は成分が水でサッと流れやすく、すすぎが1回で済むからです。
粉洗剤は毎回2回以上のすすぎが必要なため、毎日洗濯してれば水道代金も高くなってしまいます。この点、液体洗剤は1回で十分にすすぎが終わるため、節水できるだけでなく時短にも繋がります。洗剤の価格だけで見るなら粉洗剤、時間や水道代など総合的に見るなら液体洗剤がコスパとしては優れているとも言えるでしょう。
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【洗浄力は粉洗剤が◎】食べこぼしや泥汚れに効果的
洗濯は汚れを落とすために行うものなので、洗浄力の高さは重要なポイントです。粉末と液体洗剤のどちらが洗浄力に優れているのか気になるところですが、結論から言うと洗浄力が高いのは粉洗剤になります。
その理由は、粉末洗剤が弱アルカリ性で構成されているためです。洗濯物に付く汚れに食べこぼしや泥、筆記具の汚れなどがありますが、これらは主に酸性の性質を持っています。
酸性の汚れを落とすのにはアルカリ性が適しているため、粉洗剤のほうが高い洗浄力を発揮できるのです。これは特定のメーカーや商品だからというわけではなく、粉洗剤であれば等しく洗浄力に優れています。
高い洗浄力を持つ秘密は、粉末洗剤に多く含まれるゼオライトという物質にあります。ゼオライトには非常に小さい穴が数多く開いており、この穴の中に汚れの成分が吸着されていきます。
ゼオライトの中に汚れが閉じ込められるため、汚れが水に溶けだす量を抑えることが可能です。するとゼオライトに吸着されなかった汚れも綺麗な水でしっかり洗浄することができるため、全体的に汚れを落とす力が上がるのです。
消臭効果は粉も液体も◎臭いに応じて使い分けると効果的
洗濯したのに乾かしてみると洗濯物から嫌な臭いがするということがあります。臭いの原因によって洗剤を使い分けると高い消臭効果を発揮します。粉末と液体、それぞれどのような臭いに適しているのか紹介します。
雑菌臭は液体洗剤
洗濯物から嫌な臭いがするのは、主にモラクセラ菌という雑菌が繁殖しているからです。この菌は熱に弱いので煮沸消毒すれば一気に臭いを軽減できるのですが、毎回そんなことをするわけにもいきません。この厄介なモラクセラ菌のエサとなるのが、私たちの身体から日々分泌される皮脂なのです。
つまり、臭いを防ぐにはモラクセラ菌の繁殖を防ぐことが重要で、そのためにはエサとなる皮脂汚れを徹底的に落とすことが欠かせません。そこで使用したいのが、皮脂汚れの分解に高い効果を発揮する界面活性剤を多く含んだ液体洗剤です。粉洗剤も皮脂汚れを落とすことはできるのですが、粉洗剤はアルカリ性なので界面活性剤の濃度が低く、液体洗剤ほど効果的に皮脂汚れを落とすことはできません。
液体洗剤は液状をしているため、水に溶かすだけで繊維の奥まですぐに浸透し、そこに潜んでいる皮脂汚れもしっかり落とすことができます。粉洗剤では溶け残ることも多く、繊維の奥にスムーズに入り込みにくいので効果が低くなりがちです。消臭効果を重視するなら粉洗剤よりも液体洗剤の方が適していると言えます。
高い消臭効果を得たい場合は、普通の液体洗剤ではなく酵素入りや漂白成分が配合されたタイプを選びましょう。主な皮脂汚れは液体洗剤の界面活性剤が落としてくれるのですが、それだけでは落としきれない汚れもあります。酵素にはそういった汚れを落とす力があるため、特に皮脂や油分を分解する作用を持つリパーゼが配合された液体洗剤なら高い消臭効果が期待できます。
加齢臭は粉末洗剤
臭いの原因が雑菌ではなく、明らかに加齢臭の場合は注意が必要です。加齢臭は皮脂が酸化して強烈な臭いを発するものなので、酸性の汚れを落とすアルカリ性の粉洗剤の方が消臭効果には適しています。皮脂汚れであることに変わりはないので液体洗剤でもある程度は消臭できますが、アルカリ性の方が中和作用が高いので効果が期待できます。
雑菌臭が気になる時は液体洗剤、加齢臭を消したい場合は粉洗剤を使うなど、原因ごとに使分けると良いでしょう。どちらの臭いか分からない場合は、液体洗剤を使っておけば問題ありません。
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【洗濯洗剤:粉末と液体】それぞれのメリット&デメリット
落としたい汚れに応じて洗剤の種類が異なるため、汚れの種類を見極めて洗剤を選ぶことが大切です。そのためにも粉末と液体、それぞれのメリット、デメリットを紹介します。
粉末洗剤
◆メリット
- コスパが良い
- 洗浄力が高い
- 皮脂、泥汚れに最適
粉洗剤のメリットはコスパの良さと洗浄力の高さが大きな魅力です。アルカリ性なので酸性の汚れに対する洗浄力は抜群です。そのため皮脂や泥汚れが付きやすい衣類の洗濯には粉洗剤が活躍します。
◆デメリット
- 水温によって溶け残りがある
- 色落ちしやすい
水に溶けないと洗浄力を発揮することができない粉洗剤。冬場は水温が低く、洗剤がしっかり溶けないまま洗濯機が回ってしまうことがあります。また、洗浄力が強いあまり、洗濯物が色落ちしやすいという難点もあります。
汚れだけでなく染料まで一緒に落としてしまったり、蛍光剤の影響で淡い色の洗濯物が色あせて見えてしまったりすることもあります。おしゃれ着は、粉洗剤で洗うのを避けたり、蛍光剤が含まれていない洗剤を選んだりすると良いでしょう。
液体洗剤
◆メリット
- 皮脂や油汚れに最適
- 洗剤が溶け残る心配がない
- すすぎ1回でOK
皮脂や油汚れは、中性の液体洗剤の方が落ちやすいです。これは、液体洗剤に含まれる界面活性剤に、皮脂や油汚れを繊維から浮かせて包み込み、落としやすくする効果があるためです。もちろん粉洗剤でも皮脂汚れを落とすことはできますが、界面活性剤の濃度が高い液体洗剤のほうが皮脂汚れに強いと言えます。
洗浄力もマイルドなので色落ちの心配も低く、水で簡単に洗い流せるため洗剤によってはすすぎ1回で済みます。柔軟剤配合タイプの液体洗剤が多くなっており、洗剤を使うだけでふわふわとした洗い上がりになります。
◆デメリット
- 酸性の汚れに適していない
- コスパが良くない
液体洗剤のデメリットは中性や弱酸性の成分が多いため、洗濯物に付きやすい酸性の汚れを落とすのにはあまり適していません。また粉洗剤と比べ、価格が高いわりに内容量も少ないためコスト面も優れていません。
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まとめ
- 粉末洗剤は食べこぼしや泥などの酸性汚れに
- 液体洗剤は汗などの皮脂や油汚れに
- 値段が安いのは粉洗剤、水道代が節約できるのは液体洗剤
粉末洗剤はアルカリ性、液体は中性と成分が違うため、汚れの種類によって使い分けると効果的に洗濯できます。一般的な汚れは酸性が多くアルカリ性の粉末洗剤が適しています。液体洗剤には中性の界面活性剤が多く含まれているため、汗などの皮脂や油汚れを浮かし洗浄してくれます。
臭いの原因は皮脂などの汚れが繊維に付着し雑菌が繁殖したものです。皮脂汚れを分解させるために液体洗剤の界面活性剤が効果を発揮します。汚れや臭いを効果的に取るためにも、洗濯洗剤の粉末と液体の性質を知っておくといいでしょう。
またコスト面で優れているのは粉洗剤ですが、洗濯にかかる時間や水道代を考えれば、すすぎ1回ですむ液体洗剤のコスパが悪いとは言えません。コスパや洗浄力の高い粉末洗剤も魅力ですが、「忙しい時の洗濯には液体洗剤で」など生活スタイルで使い分けると良いでしょう。