布団は長年使用することで劣化していきます。ぺしゃんこになってしまった布団を購入当初のようにふわふわに甦らせる手段として、「丸洗い」と「打ち直し」があります。今回は2つの違いとどちらを選べば良いか、チェックシートを使って紹介していきます。
丸洗い?それとも打ち直す?布団の状態をチェックシートで診断
丸洗いは一般的にシーズン毎、打ち直しはおおよそ5年に一度が理想的と言われています。しかし、使い方によって布団の状態も様々で年数ではなかなか判断しづらいのも事実。そこで、まずは今使っている布団の状態をチェックしてみましょう。
上の表は下に行くほど布団の状態が悪いことを表しています。布団の状態によって対処の仕方が異なります。
1~5までなら丸洗いが最適
1~5の状態に多く該当した方は、比較的状態の良い布団と言えます。お子さんが小さければ汚れやシミが目立つこともあります。布団は定期的に干していてもホコリはもちろん、寝ている間の汗も吸収するため、へたって来たりボリュームが無くなってきます。これらの状態は布団を丸洗いすることで解消できる可能性が高いです。→【布団の丸洗い】へ。
6~8なら思い切って打ち直し
6~8に当てはまる、またはほとんどに該当する布団を使っている場合は、布団本来の機能が十分に発揮されておらず、クリーニングで解消できる範囲を超えた深刻な状態。専門店に打ち直しができるかどうかの確認をしましょう。→【布団の打ち直し】へ。
では、そもそも「丸洗い」と「打ち直し」の違いは何なのでしょうか。以下で詳しく説明していきます。
【布団の丸洗い】低価格で布団が清潔ふわふわに
ここでは布団をクリーニングに出して丸洗いする方法を説明します。打ち直すほどではないけれど、汚れやにおい、へたりが気になる布団はクリーニングに出しましょう。これらの原因は寝ている間の汗、尿、皮脂など水溶性の汚れです。布団を水洗いすることで汚れは取り除くことが可能です。
メリット(1)打ち直しに比べ手軽で安い
布団を打ち直しに出すとなると、お金もかかるし思い切りも必要な気がしますが、クリーニングなら「ちょっと出してみようかな」と気軽にチャレンジできます。
クリーニングの金額は大体1枚8,000円前後が相場。たいていのクリーニング店は1枚より2枚、2枚より3枚まとめて出す方が安く、枚数が増えればそれだけお得になります。布団3枚(敷き布団1枚、掛け布団2枚)の金額の平均は1万5,000円程度。打ち直しと比較すると金額が低く抑えられるところもクリーニングの利点です。
メリット(2)布団本来の温かさが回復する
布団のへたりは中綿が湿っていたり、羽毛であれば汚れで羽毛同士がくっついてしまい、ボリュームを減らしてしまっていることが考えられます。クリーニングで水洗いすることで羽毛や綿がきれいになるため、中綿がたくさん空気を含むようになり、本来持っていた保温性が回復します。
メリット(3)職人技でシミがきれいになる
布団についた黄ばみは皮脂などのたんぱく質が酸化したもの。時間が経つとニオイも発生するようになります。打ち直しに出せば側生地ごと新しくなりますが、クリーニングでは側生地を剥がすことはしないため、シミ抜き作業が入ります。特殊な溶剤とプロの技で、黄ばみや子どものおねしょのシミも目立たなくなります。生地を傷つけることもありません。
メリット(4)宅配型なら自宅で完結できる
布団をクリーニングに出すなら宅配型が便利です。パソコンやスマホで申し込むと布団を入れて送るための専用袋が届きます。袋に布団を詰めて引取り日を指定すると、宅配業者が指定日に引取りに来てくれます。納期は平均2週間ほど。お届けも宅配業者がしてくれるので、重くてかさばる布団を運ぶ手間はありません。
デメリット(1)丸洗いできない布団もある
マットレスやムアツ布団など中綿がウレタンのものはクリーニングに出すことはできません。水洗いすることで形状が変わってしまったり、完全に乾燥させることが難しいためです。また、シルクは水に弱いため、側生地や中綿にシルクを含む真綿布団も扱えないことが多いです。
布団の中綿の素材に限らず、側生地が劣化して薄くなっているものはクリーニングの工程で生地が破れるおそれがあります。また、中綿が偏っている布団を水洗いしてしまうと、中綿が固まり元に戻せなくなる可能性が高いです。これらの布団はクリーニングができませんので、思い切って打ち直しに出すことを検討してください。
【布団の打ち直し】見た目はまるで新品!長年使った布団が甦える
中身が偏っていたり、側生地がほころび中綿が出て来てしまうような状態の布団は、残念ながらクリーニングに出しても回復しません。側生地を剥がして足し綿をする打ち直しが必要です。ここでは布団の打ち直しについて説明していきます。
クリーニングと同様、打ち直しをする布団は引き取りに来てくれることが多いです。
1.側生地を裁断、中綿を取り出す
2.ホコリやゴミ、傷んだ羽毛(綿)を取り除く
3.固くなった綿の繊維を機械でほぐす
4.綿(羽毛)を足し、新しい側生地に詰めなおす
打ち直しの工程の中に「丸洗い」は入っていませんが、高熱で乾燥処理されるためダニも死滅し、清潔な布団になります。店舗によっては中綿を洗う「打ち直し+洗浄パック」と呼ばれるリフォームもあり、よりキレイに仕上げることもできます。
メリット(1)ボリュームが復活する
クリーニングと最も異なる点は、やはり「足し綿」にあります。ぺしゃんこになってしまった布団に必要な量の綿(羽毛)を足すことで、より購入時のボリュームに近づけることができます。
メリット(2)側生地が新しくなる
打ち直しに出すと中綿を包んでいた側生地も新しくなります。汚れやニオイは一掃、体重がかかり薄くなっていたり破れていた箇所もきれいに。側生地は選ぶことができますが、素材が良いものは金額も上がります。
メリット(3)買い替えに比べて安い
打ち直しの平均的な金額は、掛け布団1枚につき1万~1万5,000円ほど。中綿の素材によっても金額は上下するし、足し綿が多ければ金額も上がります。ただし、新品を購入するよりもおよそ3分の2ほどの金額で済みます。
デメリット(1)打ち直しに適さない布団もある
気を付けたいのが、打ち直しですべての布団が新品同様になる訳では無いということ。打ち直しには適した布団と適さない布団があります。それは中綿の「品質」です。
- 中綿が黒ずんでいるなど、寿命を迎えている
- 中綿に化学繊維が多く含まれている
- 2回以上打ち直ししている
たとえ中綿が上質でも繊維が短くなって黒ずんだ布団は、打ち直したとしてもホコリの発生が多くなります。また、ポリエステルやウレタンなどの化学繊維が混ざっている布団も打ち直しはできません。
また、1枚の布団で打ち直すことができるのは多くて2回。打ち直しを繰り返すことで中綿が固くなる傾向があるため、3回目の打ち直しでは回復は望めません。打ち直しに適さない布団は思い切って処分し、新しいものを購入しましょう。
打ち直しに出す前には布団専門店に一度相談して、費用はどのくらいか、打ち直しに適している布団かどうか見極めてもらいましょう。親切な業者であれば、新品を買った方が安くなりますよ、等のアドバイスをしてくれるはずです。
布団を丸洗い、打ち直しに出す最適な時期は?
布団を丸洗い、もしくは打ち直しするのは布団を使わないシーズンに出しましょう。クリーニングは早くても10日から2週間、打ち直しには1ヶ月ほどかかります。
- 冬の間に使用した布団をしまう時期
- 梅雨明け後、ダニが活発になる時期
このあたりの時期に丸洗いや打ち直しに出すと良いでしょう。秋口などそろそろ寒くなってきたな…と思う頃には、クリーニング店も布団専門店も混雑しているため、時間がかかることがあります。布団が届かなくて寒い思いをしないためにも時期を見極めて出すようにして下さい。
まとめ
- 布団の状態で「丸洗い」か「打ち直し」かを見極める
- 丸洗いは汗やニオイが取れ、温かさも回復
- 打ち直しは足し綿+側生地交換で新品同様に復活
粗大ごみで一番多いのは布団と言われています。まだ使える品質の中綿であれば、安価な新しい布団に買い替えるよりも、丸洗いや打ち直しをして使い続けた方が布団を長く使うことができます。
布団をクリーニングや打ち直しに出すと、掛け布団はともかく敷き布団の替えがなくて困る、ということもあるかもしれません。「しももとクリーニング」では布団のレンタルサービスも行っています。宅配キットと一緒に替えの布団が届き、クリーニングの完了と同時に回収もしてくれるので、替えの布団がないからと躊躇していた方にはぴったりですね。
下記のページでは実際にしももとクリーニングを使ってみた感想を紹介しています。参考にしてみて下さい。