【ワイシャツののり付け方法】クリーニング並みに上手に仕上げるコツ

のりのきいたワイシャツ

スーツ勤務の男性にとって、ワイシャツは正に戦闘服とも言える重要なアイテムです。ところが、毎日繰り返し着るほど、すぐに型崩れをしたり、汚れが目立つようになります。襟や袖口がよれよれのワイシャツは、シルエットも崩れ、くたびれた印象を与えてしまいます。

ビジネスの場では、外見の印象をそのまま仕事の能力に結びつけて見られることも多いため、何とかワイシャツを綺麗に仕上げたいものです。そんな時に便利な洗濯のり。洗濯のりを使って、綺麗な仕上がりを出してみましょう。

【洗濯のりのメリット】ワイシャツの形を整え、汚れから守る役割

クリーニングにワイシャツを出した時、必ず襟や袖口がパリッとした綺麗な形で戻ってきます。これは決してクリーニングならではの企業秘密ではなく、単に洗濯時に1枚1枚のり付けをしているためです。

つまり、自宅でも毎回きちんとのり付けして洗えば、まるでクリーニングに出したようにしっかりとした仕上がりが可能なのです。洗濯のりを使うメリットを3つ挙げていきます。

●生地の形を整える
ワイシャツの生地を丈夫に保ち、型崩れを防ぐ効果があり、お気に入りや高価なワイシャツを長持ちさせることができます。

●シワになりにくい
生地に固さが出るため、シワになりにくくなります。アイロンがけした後はシワがピシッと伸び、見た目も綺麗に仕上がります。

●汚れや埃が付きにくくなる
のりが生地を覆ってコーティングの役割を果たします。仮に汚れが付いたとしても、コーティングされた上に付着しているだけなので、繊維の奥深くまで浸透せず、洗濯すれば簡単に落ちます。襟や袖口は特に皮脂や汚れが付きやすい部分なので、汚れを軽減できるというのは大きなメリットです

いちいちのりを付けるなんて面倒臭いと思いがちですが、洗濯のりには衣類を守る大事な役割があることがわかります。

【洗濯のりのデメリット】肌触りが悪くなる上、のり付けに手間がかかる

一方で、のりを使うデメリットもあります。

●肌触りが悪くなり、敏感肌やアトピー体質の人は注意
生地が固くコーティングされてしまうため、どうしてもデリケートな肌質の場合、固い襟や袖口が皮膚に擦れることでヒリヒリと痛みを感じたり、赤く腫れたりしてしまうこともあります。肌の弱い人は一般的な洗濯のりではなく、100%天然成分で作られたのりを使った方が良いでしょう。

●手間がかかる
当然ですが毎回洗濯するごとに1枚ずつのりを付けていかなければななりません。慣れれば対した手間ではありませんが、忙しい主婦には夏場など頻繁に洗濯する時期は、面倒に感じることも多いでしょう。

●のりの成分が変質する
シーズンオフで長期収納する時は、何度も洗って完璧にのりを落としてください。のりを付けたまま長期保管すると黒ずみの原因になるので注意が必要です。

ワイシャツにのりを付けることによって、肌への影響がでることもありますが、のりの成分を変えてみる方法もあります。このあと紹介する、液体のりやスプレーのりを使い分け、洗濯のりを頑張って使ってみましょう。

【洗濯のりの種類と特徴】糊付けは全体か部分的か、用途で使い分けよう

ひと口に洗濯のりと言っても、その種類は様々です。使用されている成分によって天然のりと合成のりに分けられ、粉末状や液体状など形状もそれぞれ異なります。

天然のりはデンプンなど固形のものも多いですが、現在市販されているのは液状の合成のりがほとんどです。合成のりの中でも洗濯中に使うタイプと洗濯後にスプレーするタイプに分かれます

洗濯中に使用するタイプ
・衣類を洗濯し、すすぎまで行ったら一旦洗濯機を止め、脱水前に洗濯のりを投入し数分間洗う
・まんべんなく付けることができるので、全体的にのり付けしたい場合に適している
・柔軟剤との併用ができないものもあるので注意
・粉末状や液体状などメーカーによって異なるが、使い方や効果はほとんど同じ
脱水をしすぎるとシワが強く残ったり、のりの成分が落ちてしまうこともある

 

洗濯後にスプレーするタイプ
・洗濯が終わってワイシャツが乾いた後に使用する
・パリッとさせたい襟や袖口などだけで十分という場合に適している
・洗濯中に使うタイプと違い、スプレーするだけで済むので手間もかからない
・スプレーした後にアイロンがけする前提で作られているので、高い効果は得られない
・吹きかけた直後にアイロンがけすると、成分が焦げて茶色くなってしまうので注意
シルクやレーヨンなどの素材には使用することができない

使用されている成分によって、のりの落ちが良いものや色柄物には使えないものがあります。シワ防止機能に優れたものやどの繊維にも使えるものなど特徴が異なり、目的に合わせて使用しないとワイシャツを傷めるなど、思ったような効果を得ることができません。

ワイシャツ全体にのりを効かせる、折り目だけしっかり付ける、袖、襟部分だけピシッとさせるなど、自分の好みに合わせてのりを付けてもいいですね。用途によって正しい種類を選び、購入する前に必ず使用上の注意をチェックし、使用方法を守ることは大切です。

【液体のりを使う方法】洗濯機と手洗いの2つの方法を紹介

洗濯中にのりを使う場合、手順が独特なので注意が必要です。主に洗濯機に入れる方法と洗濯のりを溶かした液にワイシャツを浸す方法があり、それぞれ正しい手順を覚えておきましょう。

洗濯機にのりを入れる場合

1.他の洗濯物と一緒に洗わない
のりを入れると他の洗濯物までのり付けされてしまいます。できればワイシャツだけで洗うか、ワイシャツを取り出して洗面台などで作業してから脱水に戻すと良いでしょう。

2.最初から洗剤と一緒に入れない
洗濯のりは、最後のすすぎの後にを入れます。最初に入れたり、すすぎの最中に入れたりしてしまうと、のりの成分が水でほとんど洗い流されてしまうため、効果はほとんどありません。

3.すすぎの水を確認
洗濯のりの泡が残っていると、のりが全体に行き渡りません。完全に水が綺麗になるまで、再度扉を閉めて数分間すすぐ必要があります。あまりに長くすすぐと、のりが落ちてしまうので、3分以内にしてください

4.脱水は軽く
水と一緒にのりが落とされてしまうので、脱水も軽く済ませるだけで十分です。基本的には商品が示す使用量を守りますが、量を増減させれば好みの固さに仕上げることができるので、慣れてきたら量を調整してみてください。

手洗いでのり付けする場合

1.水に溶かして液体を作る
商品ごとに指定された量を水に溶かして液体を作ります。ワイシャツが1枚なら洗面器でも十分ですし、多い場合は洗面台や浴槽に水を少し張って行いましょう。

2.3分程度浸す
ワイシャツを2分から3分程度浸し、軽く絞ってから干します。固く絞ると水と一緒にのりまで落ちてしまうので、軽く絞るだけで構いません。

【スプレーのりの正しい使い方】ワイシャツに吹きかけ楽々アイロンがけ

洗濯中ののりを使用せずワイシャツを洗った場合は、スプレーのりを使用し、アイロンをかける方法もあります。スプレーのりは洗濯の途中で作業する必要もなく、乾いた後に吹きかけるだけで効果が現れるので非常に便利です。

ほとんどのスプレーのりには、耐熱ポリマーという熱に強い成分が使用されており、使用後にアイロンを使っても、ワイシャツを変質させるリスクは低いです。アイロンのかけ方さえ注意していれば、メリットの多い方法なので、正しいかけ方を知っておきましょう

スプレーのりの使い方

1.ムラができないよう、まんべんなく吹きかける
アイロンをかけたい場所に、のりを吹きかける際は、仕上がりが不自然にならない様、吹きかける位置に気をつける。

2.ワイシャツに近い位置から吹きかけない
のりが丸く密集して付着してしまい、のりの濃度が高くなってしまいます。アイロンの温度によっては、濃度の高い部分だけ焦げ付き、茶色くなってしまうので注意が必要です。一度20cmがどの程度の距離か計り、感覚を掴んでおくと良いでしょう。

3.スプレー口を平行に向けて吹きかける
スプレー口を下に向け、十分に離していたとしても、のりの成分の中の粒子が重いため、真下に集中しやすくなります。ワイシャツではなく、その上の空間を狙って吹きかけるイメージでスプレーをします。こうすることで、一箇所に成分が密集することなく、平均的に効果を得られるようになります。

4.袖などは裏表両方とも吹きかける
全体にのりを付けようとするとかなりの量をスプレーしなければならないので、襟や袖口など部分的に使用したほうが良いでしょう。

使用する時の注意点

アイロン台を使って吹きかけると、場所によっては床までのりがかかってしまいます。床がべたついたり変色したりする可能性もあるので、すぐに掃除をしなければなりません。スプレーのりを使う度に床掃除をするのは大変なので、新聞紙を引いたりベランダに吊り下げて使用するなど、予防も心がけましょう。

ワイシャツを洗濯して干す際に、スプレーのりをしても効果は得られます。この場合は、乾燥後に通常通りアイロンをかけてください。ドラッグストアなどには、ワイシャツののり付け後に使用するスムーザーも売られています。

スムーザーはアイロンの滑りを良くさせるためのアイテムで、スプレーのりを使った際に、アイロンにのりの成分が溶けて付着し、滑りが悪くなるのを防ぐ効果があります。必ずしも使う必要はありませんが、滑りが悪くてイライラする時や、手早くアイロンがけを済ませたい場合に使ってみると良いでしょう。

洗濯のりを使用するときの注意点と仕上げのコツ

注意点

洗濯のりは洗剤や柔軟剤の投入口に入れてはいけません。固まりやすい性質のため、投入口に入れると内部で固まって洗剤などが出てこなくなってしまいます。

乾燥機の使用も、目詰まりを引き起こす危険があるので避けてください。こういった部分は簡単に掃除できないため、一度詰まると専門業者を呼ぶか大がかりな掃除をすることになってしまいます

のりの成分は洗面器などにも付着するので、そのままにしておくと設備を傷める可能性もあります。使用後はよく水を流して成分を洗い落とし、素手で作業した場合はしっかり洗ってハンドクリームなどで保湿しておきましょう。

洗濯のりには液体のりの他に、固形のりも販売されています。天然成分の固形のりは開封したら1週間を目途に使い切る必要がありますが、合成のりなら使用期限は特にないので、頻繁にのり付けしない場合は、合成のりの方が便利です。

仕上げのコツ

洗濯中にのりを使うと、全体にしっかり成分が行き渡るので、シワができにくくなります。このため、乾いた後にアイロンを使わなくても構いませんが、より美しく仕上げたいなら、やはりアイロンがけをした方が良いでしょう。

まだ若干湿り気がある段階でアイロンをかけると、シワが取れやすいので、楽に仕上げることができます。うっかり脱水を強くかけてしまい、シワがくっきり残った場合は、霧吹きなどでワイシャツを湿らせてから、アイロンをかけてみてください。大きなシワも薄いシワも、洗濯のり無しで洗濯した場合より、簡単に取れるようになります。

まとめ

洗濯のりは、上手に活用すると衣服を長持ちさせることができ、洗濯を楽にすることが可能です。ちょっとしたひと手間ですが、あまり使ったことがない人や、まだ使ったことのない人は、一度試してみてはいかがでしょうか。

  • のりには、衣類に汚れを付きにくくするための、コーティング効果がある
  • 洗濯中に使うのりは、全体的にのり付けしたい場合に適している
  • スプレーのりは、部分的なところに使う時、適している
  • のりの種類、形状によって、洗濯方法が異なる

 

洗濯のりを使い、家で綺麗に仕上がる方法を紹介しましたが、やはり毎日1枚1枚のり付けし、アイロンがけをするのは、なかなか面倒であり大変です。そんな家事の負担を少しでも減らすにはクリーニングに出し、ピシッと綺麗なワイシャツに仕上げてもらうという方法もあります。

クリーニング店まで持って行ったり、取りに行くという手間がはぶける宅配クリーニングを利用するのも便利です。実際にワイシャツなど、宅配クリーニングのリネットを利用した感想をまとめましたので、そちらも参考にしてみてください。