クリーニング店に出すと意外と高いダウンコートやダウンジャケット、実は気をつけるポイントを守れば手洗いはもちろん洗濯機でも洗えます。ここでは自宅でのダウンの洗濯のコツと気を付けるポイント、日頃のダウンのお手入れ方法までを紹介していきます。
ダウンを洗う前にやっておくことはこの2つ
ダウンの特性と洗濯のコツを知っておかなければ、洗濯に失敗してしまう可能性があります。失敗するとシミが出来てしまったり、中のダウンが偏って型崩れしてしまったり、本来の機能が発揮されない恐れがあるのです。
洗濯の工程自体は難しいものではありませんが、ダウン本来の膨らみを戻すためには乾燥の工程にちょっとしたコツがあります。自宅での洗濯でダウンを駄目にしないためにも、洗濯と乾燥のコツを覚えておくと失敗を防げます。
- 洗濯表示を確認する
- 襟周りや袖口の汚れを落としておく
タグに「洗濯機マーク」や「手洗いマーク」がついていれば自宅での洗濯が可能です。また、水洗い不可のマークがついていても、洗い方に注意すれば洗濯できます。ただ、生地がナイロンやポリエステルでないもの、シルクやレザーなどは自宅での洗濯は避けましょう。
ダウンが洗えることが確認できたらどの部分に汚れが溜まっているのか、そしてシミなどが無いかを確認しておきます。襟周りや袖口、ポケット付近等の汚れが目立つ部分だけを洗っておくのも綺麗に仕上げるコツです。汚れが目立つ部分をぬるま湯で濡らし、洗剤や石鹸を直接付けてブラシで擦ると汚れが取れます。
【ダウンを洗濯機で洗う方法】コツはダウンが浮かないよう水を浸透させる
洗濯表示とダメージの有無を確認したら、早速洗濯していきます。ここでは洗濯機での洗濯方法について説明します。
■用意するもの
- おしゃれ着用の中性洗剤
- ダウンが入る大きさの洗濯ネット
1.洗う
使用する洗剤は一般的なアルカリ洗剤でも洗えますが、洗浄力が強すぎて羽毛の油分まで落としてしまい、保温性が低下してしまいます。そのためニットなどのデリケート素材を洗うおしゃれ着用の中性洗剤を使います。そしてダウンが洗濯機内で傷付かないように大きめの洗濯ネットに入れ、通常通り洗濯機を回します。
この時に必ず確認して貰いたいのが、ダウンが水の上に浮いてしまっている状態になっていないかどうかです。縦型洗濯機の場合、ダウンの中に水が浸透せずに浮いたままになってしまうことがあります。その際は洗濯機を一時停止し、押し洗いのように手でダウンに水を浸透させてから再度洗濯機を回します。ドラム式洗濯機は上から下へ洗濯物を叩き付けるような動作があるため上手く水が浸透し、この一手間は不要です。
2.すすぐ
すすぎの段階になったらダウンをふっくら仕上げるために柔軟剤を使用します。
3.脱水
脱水時はダウンの生地を傷めてしまう恐れがあるため、1分ほどの短い時間で済ませます。脱水後にはダウンの膨らみが失われていますので、ダウンをハンガーなどに掛けたら必ず手でパンパンと叩きましょう。こうすることで中で偏ったりもつれたりしている羽毛を解すことができるのです。
4.干す
ダウンを叩く作業は乾燥中にも数回行うのがコツ。この手間をかけることで、ダウンをふっくらとした状態に戻すことが出来ます。乾燥中に何度も手で叩き、羽毛の偏りなどが取れてふっくらしてきたと思ったら、低温で乾燥機にかけることも出来ます。乾燥機を使うと中の羽毛に風が当たり、よりふっくらと仕上がります。
いきなり乾燥機を使用すると、ダウンを傷めてしまうこともあるため、まずは自然乾燥から始め、慣れてきたら乾燥機を使用すると良いでしょう。乾燥機を使用する際は最初は最も低い温度かつ10分程度の短い時間から試してみます。
【ダウンを手洗いする方法】先に洗剤を水によく溶かしておくのがコツ
ここでは洗濯機は使わず、手洗いする方法を紹介します。ただし、脱水時は洗濯機を使用します。
■用意するもの
- おしゃれ着用の中性洗剤
- ダウンが入る大きさのたらいや桶
1.優しく押し洗い
手洗いする際にも使用する洗剤はデリケート素材用の中性洗剤を使用します。中の羽毛と生地を傷めないためにも、中性洗剤を使用することが重要です。洗濯機で洗うときと同様に下洗いが済んだ後は、たらいなどに水を溜め、その中に洗剤を入れてよくかき混ぜます。こうすることで洗剤がダウン全体に行き渡り、汚れが落ちやすくなります。
洗剤水に軽く畳んだダウンを入れ、手で押し洗いをしましょう。手洗いの場合は洗濯機よりも生地に優しい洗濯方法なので洗濯ネットは必要ありません。綺麗に汚れを落とすために丁寧に5分ほど押し洗いをします。
2.すすぐ
すすぎはたらいの中の水を綺麗な水に入れ替え、洗濯の時と同じく押し洗いをします。これを何度も繰り返し、ダウンの中に洗剤が残らないように綺麗に洗い流しましょう。そして最後にダウンを柔軟剤の入った水に浸ければ洗濯は終了です。
3.脱水
ダウンを手で絞ると生地を傷めてしまう恐れがあるため、洗濯機で行います。
4.干す
ここからは洗濯機で洗濯をした時と同じで、ダウンをハンガーなどに掛けた状態で何度も手で叩きながら乾燥させましょう。ダウンの膨らみにムラが出来ないように、ダウンのフードや脇の下など、忘れがちな場所もまんべんなく叩くことがコツです。
【ダウンのお手入れ方法】長持ちさせる4つのポイント
自宅で簡単に洗濯が出来るからとダウンを頻繁に洗ってしまうと、次第に本来の機能や膨らみは減少してしまいます。そのためダウンの丸洗いはシーズンが終わったタイミングなど年1回程度に抑え、その代わりに日々のお手入れをきちんと行うようにしましょう。
ダウンをより長持ちさせるためには普段のお手入れがとても重要です。ダウンは他の洋服のように着ている人の汗や油を吸い取るため、次第にその汗や油が中の羽毛にまで浸透してしまいます。汗や油が浸透した状態ではダウン本来の機能を発揮できないこともあるため、ダウンを着た日は汗抜きをします。
汗抜きする
汗抜きとは、ハンガーなどにダウンをかけて汗を乾かす事です。そのままクローゼットに入れてしまうのではなく、ハンガーにかけて風通しの良い所に1時間程度は置いておきます。そして汗抜きをする際には同時にダウンについたホコリをブラシなどで取り除きます。綺麗に見えるダウンでも、外気に晒されているため意外と汚れが付いていることが多いのです。
ダウンの表面を拭く
月に一回程度は濡れたタオルなどでダウンの表面を拭くことも大切です。小さな部分汚れなどは、丸洗いをしなくても石鹸水をタオルに含ませて拭くことで汚れを取り除くことも出来ます。このように普段のお手入れをしっかり行うことでダウンが綺麗な状態で長持ちします。
出てきた羽毛は引っ張らない
小さな穴や切り欠きなどがあった場合もより早く見つけることが出来ます。ダウンの隙間から中の羽毛が出てきてしまったら、羽毛を引っ張ると穴が大きくなってしまうため、引き抜かずに内側に押し込んで戻します。
ハンガーに吊るして保管
ダウンは畳まずハンガーに掛けて保管しましょう。畳んで保管すると、潰れた状態で羽毛に癖がついてしまい、ダウン本来の膨らみが失われてしまいます。そのため、ハンガーに掛けてクローゼットに保管することはもちろん、ぎゅうぎゅう詰めにせず、出来るだけふっくらとした状態で掛けておくことでダウン本来の性能とデザインを保つことが出来ます。
大切なダウンはクリーニングへ!型崩れもシミも心配なし
ここまで自宅でのダウンの洗濯方法とお手入れ方法について説明してきましたが、クリーニング店に任せた方が良いケースもあります。それは生地に穴や切り欠きなどのダメージがある場合はもちろんのこと、ダウンの生地の色が黒以外の場合です。
生地にダメージがあると、クリーニング店でも受け付けてもらえないことがあります。洗濯前にダメージを直す必要があるかをお店で確認しましょう。
また、生地の色がベージュ等の淡色の場合、自宅での洗濯では思うようにシミが落ちないことが考えられ、何より乾燥の際に変色や色移りが起こる可能性があります。ダウンを乾燥する時、空気の通り道は生地の縫い目部分に集中します。そのため乾燥の速度がダウンの部位によって異なり、それが原因で変色が起こってしまうことがあるのです。
装飾などが付いているダウンも装飾が傷ついたり取れてしまうことが考えられ、ロゴのプリントも自宅洗いで傷んでしまう可能性があります。このように扱いが難しい素材を使用しているダウンについてはクリーニング店に任せてしまうのはもちろん、手洗い出来るか迷ったら、まずクリーニング店でプロに相談してみるのが良いでしょう。
まとめ
- 洗濯前に目立つ汚れは落としておく
- 中性洗剤と柔軟剤でやさしく洗う
- ハンガーにかけてパンパン叩く作業を何度か繰り返す
- 淡い色のものや大切なダウンはクリーニング店に任せる
ダウンを家で洗えれば、汗をかいてしまったり少しの汚れがついてしまった際などにもすぐに対処出来るため、常に清潔な状態でダウンを着ることが出来ます。また、ダウンのクリーニング費用を節約出来ることもメリットです。ダウンのシーズンが終わったら、天気のいい日を選んでぜひ挑戦してみて下さい。
ただし、シルクやレザー等の素材や淡い色のダウン、またモンクレールやカナダグース等の高級ダウンは失敗を防ぐためにもクリーニング店に任せましょう。宅配クリーニング「リナビス」は普通のダウンはもちろん、高級ダウンも満足のいく仕上がり。初回限定のサービスを活用すればダウン5点で7,800円と、街のクリーニング店に出すよりもお得になります。次のリナビスのレビュー記事も合わせてご覧ください。
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